30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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【社会福祉士試験対策その3】セツルメント運動について、簡単にまとめてみた。

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前回、COS(慈善組織協会)について取り上げ、

1900年代におけるソーシャルワークの歴史について解説しました。

social-walfare-work.hatenablog.com

 

そして、COSと同じ時期に「セツルメント運動」というのも

ソーシャルワークに大きな影響を与えました。

 

今回は「セツルメント運動」について簡単に解説します。

 

セツルメント運動とは

セツルメント運動は  民間人が貧困地域に行き、医療の提供、宿泊できる場所や

子どもの保育所などを設け、貧困に苦しむ人々を支援する社会運動を指します。

 

この運動はCOSと同じく「貧困」を対象にしていますが、

貧困を個人的な問題でなく、社会によって生み出されているという

気づきから始まりました。

 

なので、セツルメント運動は単に貧困者の支援でなく、

そのコミュニティを拡大・発展させ、社会運動へと変化させる特徴があります。

ソーシャルワークでいう「ソーシャルアクション」の代表例です。

 

セツルメント運動の歴史

セツルメント運動はもともと教養の高い女性たちが中心となり活動していました。

 

その理由は19世紀半ばから、資本主義に変わる中で、

女性の社会的役割が男性よりも低く扱われていたからでした。

その不平等への反抗心がセツルメント運動への原動力となります。

 

そして、1884年にサミュエル・バーネットが、ロンドンで

トインビーホールという世界初のセツルメント施設を開きました。

 

そして、1889年にジェーン・アダムスがアメリカのシカゴで

世界最大のセツルメント施設「ハルハウス」を作ります。

 

そして日本にも1891年宣教師であるアリス・ペティ・アダムスが

岡山博愛館」と創設し、子どもの教育をしたことから始まりました。

 

1897年には片山潜キングスレー館を設立し、

セツルメント運動が全国規模に拡大していきます。

 

最後に

 

COSは友愛訪問員というボランティアを募り、そのノウハウを

積み上げて、専門職として発展しましたが、セツルメント活動では

そういう専門化はしませんでした。

 

その理由は、ソーシャルワークを専門化するより、

経験や勘で行動することを大切にしていたためです。

 

セツルメント運動の中心人物であったジェーン・アダムスは

その専門性に疑問を感じていた一人であり、COSとは違うスタンスで

ハルハウスを創設し、後にノーベル平和賞を受賞しています。

 

このアダムスの実績は、ソーシャルワークには専門性を学ばなくても、

世界規模の社会運動ができることを証明してくれました。

 

セツルメント運動を学ぶと、

「ソーシャルワーカーの専門性は果たして必要なのか」

ふと考えてしまいます。

 

でも学ばないと社会福祉士の資格は取れませんので、

ご注意くださいね。

 

セツルメント運動に興味があるソーシャルワーカーは

こちらの本を読むといいですよ。

 

ソーシャルワーカーの役割やセツルメントなどについて

分かりやすく説明してくれています。