30代になった社会福祉士・しげKickのブログ

昭和60年生まれ社会福祉士のしげkickです。福祉や医療関係、その他ゆるく書いていきます。

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社会福祉士の専門性って、じつは「落とし穴」があるんですよ。

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以前、社会福祉士の専門性について

お話しましたが、実は大きな落とし穴

があるのはご存知でしょうか。

 

このことは社会福祉士の学校や

日本のテキストではほとんど扱われていません。

というか、わざと避けているような感じさえします。

 

今回は、この問題点についてお話します。

 

そもそも社会福祉士の専門性って何?

 

まず、専門性についておさらいしましょう。

以下の記事で詳しく述べています。

 

social-walfare-work.hatenablog.com

 

社会福祉士の専門性は簡単に言うと

ソーシャルワークの活動で得たノウハウを学問化することです。

 

で、この専門性はソーシャルワーカーが自身の勘や経験に頼るよりも、

その学問をまなび、実際に実践してみることを大切にしています。

 

だから、私たちは社会福祉士になるために、専門学校で様々な分野の

勉強をし、実習でその理論を実践をして学習をするんですね。

 

その専門性に疑問を感じていたJ.アダムス

 

かつて、この専門性に疑問を持っていた人物がいます。

それは、1931年にノーベル平和賞を受賞したジェーン・アダムスでした。

 

彼女にとって、ソーシャルワーク

学問をまなぶよりも、まず行動することが大切だと考えていました。

 

ソーシャルワークの専門性には否定的であり、勝手に

その専門家・学者たちが話し合い、理論としてまとめるだけ

でいいと捉えていました。

 

むしろ、その積み上げた理論よりも、

自身の勘や経験を頼ることを大事にしてました。

 

アダムスの「自身の勘や経験を頼りに行動する」こと。

いわば、ソーシャルワークに専門性はいらないと言っている

ことになります。

 

彼女はノーベル平和賞も受賞しているほど社会事業者ですので、

その思想にも説得力がありますし、国際的なソーシャルワーク団体の

「NASW」や「CSWE」も影響を受けています。

 

アダムスの詳しいことは以下の記事で紹介しています。

 

social-walfare-work.hatenablog.com

 

社会福祉士の専門性にある「落とし穴」

では、なぜ専門性より、

自分の勘や経験に頼った方がいいのでしょうか。

 

わたしの意見ですが、

知識の積み重ねや論理を使ったソーシャルワークでは、

その意味は理解できても、それで満足して

終わってしまう危険があります。

 

さらに、ソーシャルワークの理論の意味が理解できても、

実際にはできていないのに、自身はソーシャルワークができている

と錯覚することがあります。

 

つまり、理論の意味が分かったところで、

そのソーシャルワークの本質が分からないまま、

放置されてしまいます。

 

だから、わたしの場合

「専門性にはソーシャルワーカーとして成長は

ほとんどない」と考えています。

 

理論はわからなくても、相手に本気で取り組むことによって、

ソーシャルワークの本質を理解でき、

ワーカーとしての勘や経験が培っていくものだと

捉えています。

 

わたしは社会福祉士の学校でさまざまな

ソーシャルワークの理論を学びましたが、

学んだ理論を仕事で実践しなくても、

全然問題はありませんでした。

 

むしろ、専門性って、物事を理論に当てはめてしまう

くせがついてしまうので、無理にする必要はないと思います。

 

さいごに

 

ソーシャルワークの理論に

相手をありのままに受けとめる「受容」があります。

 

でも、「受容」って意味では理解できる人は多いけど、

実際に相手を受容するときは、自分が真剣にならないと

できないし、予想以上のエネルギーを消費します。

 

しかも、相手を理論で当てはめようとした瞬間、

受容はできませんので、その感覚は専門性では絶対身に付きません。

 

今回の記事では、決して「ソーシャルワークを学ぶな」と言っているわけでは

ありません。

でも、専門性にこだわりすぎると

ソーシャルワークの本質を見失うことを知ってほしいです

だから、社会福祉士の学校はもっと学習だけでなく、

実践的な感覚や経験を身に付けるようにするべきです。